英語学習の4技能（インプット：リーディング/リスニング・アウトプット：ライティング/スピーキング）のうち、日本の学校教育課程を経験した人は、リスニングに比べて、リーディングの方ができる方が多いのではないでしょうか。しかし、「きちんと正確に」英文を読めている人はそれほど多くありません。
今回は、リーディングで「きちんと正確に」読めるようになるためのトレーニング「精読」のやり方と「多読」との違いなどをご紹介します。

英語の精読とは？

英語の精読とは、英文の単語・文法・文構造・意味を正確に理解できるまでじっくり読み込むトレーニング法です。ここで重要なのは、英文のだいたいの意味が分かり、概要をつかめるようになることが目的ではないということです。あくまで「正確に理解する」ことが精読の目的です。

英語精読の流れ

英語精読のやり方・流れは以下のとおりです。

1. 辞書を使わず自力で可能な限り単語・文法・文構造・意味を理解しようとする
2. 辞書やスクリプトの解説を使い、単語・文法・文構造・意味を正確に理解する
3. 時間をあけてもう一度、単語・文法・文構造・意味が理解できるか確認する

1．辞書を使わず自力で可能な限り単語・文法・文構造・意味を理解しようとする

英語精読の最初のステップは、英文を辞書やスクリプトの解説を見ずに、自力を振り絞って可能な限り詳細に分析し、英文の意味や構造を理解しようとすることです。
単語の品詞や修飾関係、主語・動詞・目的語・補語など、文章を解釈するために、少し細かすぎるんじゃないかと思うくらい詳細に文章を分解してみましょう。

なお、ここでは、絶対に辞書や解説は見てはいけません。ここで見てしまうと、本来自分では分からなかった部分も、なんとなく知っていた・分かっていたような気がしてしまい、正確な理解のための単語や文法の学習機会を失ってしまうことになります。

2．辞書やスクリプトの解説を使い、単語・文法・文構造・意味を正確に理解する

次のステップは、辞書やスクリプトの解説を見ながら、自分の分析が合っているかどうかの答え合わせをし、間違っていた場合は正しいものに直し、単語・文法・文構造・意味を正確に理解することです。
知らない単語や文法、構文や定型表現などは、徹底的に調べて学ぶようにしましょう。正しい英文解釈を再現できるようにという意識で、しっかりと取り組むことが重要です。

3．時間をあけてもう一度、単語・文法・文構造・意味が理解できるか確認する

最後のステップは、時間をあけて正しい英文解釈を自力で再現できるかどうかを確認することです。ここで再現できなかった場合は、再び2のステップに戻り、自力で正しい英文解釈を再現できるまで繰り返します。

精読と多読の関係は？

さて、精読のやり方が分かったところで、もう一つの有名なリーディングトレーニング「多読」との関係性について紹介します。

まず、「多読」は読んで字のごとく、たくさん読むことです。ただし、学習効果を高めるためには、「正確に理解しながら」たくさん読むことが重要です。
この「正確に理解しながら」の部分を鍛える方法が今回ご紹介した「精読」になります。

そのため、「精読」と「多読」はともにリーディングスキルを上げるトレーニングですが、「精読」で英文を正確に理解することができるようになってから、「多読」のトレーニングを積むという順序で行うことが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。リーディングスキルを向上させるトレーニングの「精読」ですが、時間がかかってしまうとしても正しいやり方で行い、何よりも「正確に」英文を理解できるようになることが重要です。正確に理解できるようになることで、その後の多読のトレーニングの効果が最大化されるからです。

ただ、自分だけでこのトレーニングを行う自信がないという方は、英会話スクールの活用を検討するのもおすすめです。英会話スクールでは、学習方法のアドバイスや精読の2番目のステップである正しい英文解釈の解説をしてもらえるので、自分で辞書や解説を見て学習することに不安がある方は、講師から教わる方が効率的に学べるかもしれません。