英語学習を続けていると、徐々に自分の意思を英語で伝えられるようになってきます。最初は、「英語で発言できた」ということに喜びを感じますが、それにも慣れてくると「自分の英語はたどたどしい気がする」「もっと流暢に話したい」と思うようになってきます。このようなときこそ、意識していただきたいのが『発音』です。

正しい発音を習得することでネイティブらしいスピーキングになり、相手とのコミュニケーションもよりスムーズになっていきます。そこで今回は、英語の発音の法則の中から『アシミレーション』という技法について解説していきます。

発音を上達させる「音声変化」とは？

音声変化とは、2つ以上の単語が繋がるときに単語の発音を変化させて読むことを言います。例えば、英語で"How about you?"（あなたはどう？）というとき「ハウ アバウト ユー」ではなく、「ハウアバウチュー」のように発音します。このような現象を音声変化と言います。

ネイティブスピーカーが話す英語では頻繁に音声変化が行われており、彼らはその音に聞き慣れて育っています。そのため、私たちがどれだけ正確な英文を話していたとしても、音声変化を上手く使いこなせていなければぶつ切りのような会話になり、相手にとって聞き取りづらいものとなってしまのです。

英語を話すときに大切なのは、きちんと相手に伝わる英語を話すことです。音声変化を理解し、「伝わる英語」を身につけましょう。

音声変化にはいくつかのパターンがありますが、ここではその中から『アシミレーション』について見ていきます。

「アシミレーション」とは

アシミレーション（Assimilation）とは、2つの単語が繋がって別の音に変化することで、「同化」とも言います。アシミレーションの3つのパターンを見てみましょう。

1. [s]＋[y]
2. [t]＋[y]
3. [d]＋[y]

1．[s]＋[y]

前の単語の最後が[s]で終わり、続く単語の最初が[y]で始まるときに音が同化します。
例を見てみましょう。

2．[t]＋[y]

前の単語の最後が[t]で終わり、続く単語の最初が[y]で始まるときに音が同化します。

3．[d]＋[y]

前の単語の最後が[d]で終わり、続く単語の最初が[y]で始まるときに音が同化します。

「アシミレーション」を学ぶメリット

先ほどの解説の【例】の英語を見て気づいたことはありませんか。

"miss you""want you""Could you"など、アシミレーションは英会話の中で頻繁に行なわれています。また、これらの英語表現はテキストやTOEICなどの試験でもよく見かけるものばかりです。このことからも分かるように、アシミレーションは英語のリスニングとスピーキングの上達に欠かせない技法なのです。

アシミレーションの技法を習得するための最大のコツは、何度も発声して定着させることです。その際、自己流で発声するのではなく、お手本を忠実に真似するようにしましょう。

正しい発音をするためには口の動きを確かめることも大切です。発音しているときの口の動きがわかる写真や動画などを参考にすると良いでしょう。

また、英会話スクールを活用することで、正しい発音をしている講師をお手本にすることができますし、発音のアドバイスなどをもらうこともできます。独学で発音を上達させるにはどうしても限界があり、何となく自分の発音が違うのはわかるが、それをどうやって直したらいいのかわからないといったこともよく起こります。短期間で効率良く発音を習得するにはプロに学ぶのが最も効果的な方法ですよ。

私たち日本人は学生時代に英語を教わりましたが、発音をあまり重要視していない傾向にありました。そのため、「正しい英文で話すことが大切」だと考えている人が少なくありません。もちろん、正確に意思疎通を行なうためには正しい英文が欠かせません。

しかし、英会話というコミュニケーションの場では、英語の「正確さ」に加えて「流暢さ」も求められます。英会話の中でよく使われるアシミレーションの技法を習得することは、スピーキング時の「流暢さ」を手に入れることにもなるのです。

まとめ

英語の音声変化の中から、『アシミレーション』について解説してきましたがいかがでしたか。「英語ニュースを聞き取れるようになりたい」「〇〇さんのようにスマートに英会話をしてみたい」という憧れを叶えるためには、発音学習も欠かすことはできません。

発音は、筋トレのように繰り返すほどに身体に定着していきます。アシミレーションの技法を理解し、何度も声に出してみましょう。そして、「覚えた英単語やフレーズをかっこよく発音できる」「相手の英語もしっかりと聞き取れる」という憧れの自分になりましょう。