英語力を高めるうえで欠かせないスキルの一つ、リーディング。TOEICやTOEFLなどの資格試験に向けて英語を学んでいる方の中には、どうすればより早く英文を読めるようになるのか、試行錯誤しながら取り組んでいるという方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はリーディングスピードを速めるうえで効果的なトレーニングをご紹介したいと思います。ぜひ参考にしてください。
リーディングのスピードを速めるためには、主に下記5つのトレーニングが効果的です。
それぞれのポイントについてご紹介していきます。
リーディングスピードを高めるうえで前提となるのは、十分な単語・語彙力です。文中に知らない単語が出てくるとそこで目が留まってしまいますし、文脈からその単語の意味を理解しようとして返し読みをしてしまうなど、スムーズに前に読み進めることができなくなってしまいます。TOEICやTOEFLなどのテストに出てくる文章を読んでいて、意味が分からない単語が多数登場してくるという方は、まずはリーディングの練習をする前に単語帳や単語アプリなどを使って語彙力を高めるトレーニングをすることをおすすめします。
リーディングスピードを高めるためには、単語力だけではなく文法に対する正確な理解も重要となります。文法を正しく理解できていると、長い一文の中からS(主語)やV(述語)、O(目的語)など核となる文構造を素早く見抜き、それ以外の副詞節や前置詞句といった補足部分についてはさらりと読み流すことができるようになるため、自然と読むスピードが上がります。
例えば、下記の英文があったとします。
"Rosetta Stone Language Learning is proprietary computer-assisted language learning (CALL) software published by Rosetta Stone Inc. The software uses images, text, and sound to teach words and grammar by spaced repetition, without translation. Rosetta Stone calls its approach Dynamic Immersion (a term which has been trademarked)."
(※wikipedia Rosetta Stone (software)より引用)
上記の文章の場合、SVC(主語・述語・補語)、SVO(主語・述語・目的語)といった文章の骨子だけを抜き出すと、"Rosetta Stone Language Learning is software. The software uses images, text, and sound. Rosetta Stone calls its approach Dynamic Immersion." だけとなり、残りの部分は上記の文章を補足する説明であることが分かります。
基礎的な英文法の知識がしっかりと身についていれば、このように骨子だけを捉えながら緩急をつけて読むことができるため、より早く英文を読めるのです。
サイトラ(サイトトランスレーション)は通訳トレーニングの一つで、英文を読んだ後にそのまま即座に和訳をしていくトレーニングのことを指します。サイトラに取り組むメリットは、英文の意味を語順のまま前から捉えることができるようになるという点です。
英文を自然な日本語に訳そうと思うと、どうしても語順を入れ替える必要があり、そのぶん返り読みの手間が生じてリーディングスピードが遅くなってしまいます。しかし、サイトラの訓練により英文の意味を語順のまま理解できるようになれば、返り読みの癖がなくなり、そのぶんどんどん前に読み進めていけるようになります。
下記の文章を例にとってみましょう。
"Rosetta Stone Language Learning is proprietary computer-assisted language learning (CALL) software published by Rosetta Stone Inc."
自然な日本語に訳すと下記のようになりますが、この語順で英文を理解しようとするとどうしても返り読みが発生します。
「ロゼッタストーン・ランゲージ・ラーニングは、ロゼッタストーン社が公開した、特許を持つコンピューター支援による言語学習ソフトウェアです。」
サイトラで英文を訳していく場合は、下記のように語順のまま意味をとっていきます。
「ロゼッタストーンは/特許を持つ/コンピューターが支援してくれる/言語学習ソフトウェアです/公開された/ロゼッタストーン社によって」
上記のように前から訳す力をつけていけば、リーディングスピードは必ず向上します。
リーディングスピードを上げるうえでとても効果的なトレーニングが、音読です。英文のリーディングは、分かりやすく整理すると「目で単語を認識する」→「単語を頭の中で音に変換する(音韻符号化)」→「音韻符号を頭の中の言語知識データベース(メンタルレキシコン:単語のスペル・発音・意味などを紐づけて記憶しているデータベース)と照合する」→「意味を理解する」というプロセスをたどっています。
リーディングスピードを上げるためにはこのプロセスをよりスムーズにすることが重要なのですが、音読のトレーニングは上記プロセスのうち特に音韻符号化からメンタルレキシコンを参照するプロセスを高速化・自動化するうえでとても役立ちます。
正しい発音で音読トレーニングを繰り返すことで、より早く頭の中の言語知識を参照できるようになり、そのぶん単語の意味理解に脳内のメモリを費やすことができるようになるのです。
よくリーディングスピードを高めるためには「英語を日本語に訳す」のではなく「英語を英語のまま理解する」ことが重要だと言われますが、「英語を英語のまま理解する」とは、まさにこの音韻符号化からメンタルレキシコンを参照するプロセスが自動化されている状態のことを指しています。
音読に加えて効果的なトレーニングが、「多読」です。多読とは、とにかくたくさんの文章をスピーディーに読みこなしていくトレーニングのことを指しています。精読が自分の単語や語彙、文法知識などを増やすうえで役立つのに対し、多読はそれらの知識を運用してリーディングスピードを上げるうえで役立ちます。細かい文法や単語に捉われることなく、スピードを重視してたくさんの英文に触れるようにしましょう。
ちなみに、音読、多読ともに、使う文章のレベルは簡単すぎても難しすぎてもよくありません。自分の英語レベルでは少しだけ難しいなと感じるレベル、具体的には90~95%は理解できるレベルの文章を用いてトレーニングするのが最も効果的です。
いかがでしょうか?今回はリーディングスピードを高めるうえで効果的なトレーニングを5つご紹介しました。リーディングスピードの向上はTOEICやTOEFLなどの資格試験対策だけではなく、英語の学習効率アップにもつながるのでおすすめです。リーディングが苦手という方はぜひ上記を参考にしてみてください。
なお、ロゼッタストーン・ラーニングセンター(RSLC)では、ネイティブ講師とのマンツーマンレッスンに加え、世界177ヵ国、500万人以上が利用しているロゼッタストーンの言語学習ソフトウェアを活用してリーディングのトレーニングに取り組むことも可能です。
リスニングやスピーキングといった英会話スキルだけではなくリーディングも含めて総合的に英語力を高めたいという方にはRSLCがおすすめです。興味がある方はRSLCぜひ一度無料体験レッスンにお越しください!