英語学習者の方に英語学習の目標を聞いてみると、「海外旅行で現地の人とコミュニケーションをとりたい」「映画を字幕なしで見たい」「TOEICで結果を出したい」など、人によってさまざまな目標を立てています。中には、「明確な目標はないけれど、なんとなく話せる
いろいろな目標があるなか、「TOEICで結果を出したい」はあまりオススメしません。今回は、英語学習で「TOEICで結果を出したい」という目標をオススメしない理由と、オススメの目標の立て方をご紹介します。
英語学習において、目標を立てることは次の観点から、非常に重要です。
目標を立てることで、自分が今取り組むべきことは語彙力の強化なのか、文法知識のインプットなのか、スピーキングの実践といったアウトプットなのかが明らかになります。
ただし、取り組むべきことを明らかにするには、きちんとした目標を立てることが不可欠です。ここで言う「きちんとした目標」とは、「具体的で(Specific)」「評価・測定が可能で(Measurable)」「達成可能な範囲で(Achievable)」「自分の生活やキャリアなどに関連していて(Related)」「いつまでという期限がある(Time-bound)」目標のことで、一般的に「SMART」と呼ばれています。
SMARTに則った目標を立てることで、なりたい姿と現状のギャップを正確に測ることができるので、いつまでに何をしなければいけないかを逆算し、今取り組むべきことを明らかにできます。
冒頭でオススメしないといった「TOEICで結果を出す」という目標には、このSMARTの考えが反映されていません。結果とは何を意味するのかという具体性や、スコアなどの測定可能な指標が盛り込まれておらず、いつまでにという期限も設定されていない目標となってしまっています。
そのため、この目標を達成するために、いざ何をすればいいのかと考えたときに、やるべきことが定まらず、効果的ではない学習法を選択してしまったり、感覚的な結果だけに一喜一憂してしまったり、目標に近づいているかどうかの判断がつかずに挫折してしまったりするおそれがあるのです。
目標を立てることはモチベーションの維持につながります。最終的な目標を達成するために、マイルストーンのように短期間で達成可能な範囲の小目標を立て、その小目標ひとつひとつを達成していくことで、長い時間を必要とする目標を設定した場合に低下しがちなモチベーションを維持することができます。
小目標も達成可能な範囲まで細分化することで、目標達成に対するポジティブなイメージを持つことができ、途中で挫折してしまう可能性を下げることができます。これを反対に達成困難な目標としてしまうと、小目標が達成できない状況が続き、目標達成に対してネガティブなイメージを抱いてしまい、モチベーションの低下を招いてしまうことになるので、注意しましょう。
英語学習で目標を立てるときのオススメのステップをご紹介します。実際に手を動かして学習を進めるときには、最終目標も大切ですが、具体的なアクションに落とし込んだ行動計画まで立てるのが理想です。
まず英語学習をした結果、どうなりたいかを具体的に考えるようにしましょう。
「外国人の人たちと不自由なくコミュニケーションをとる」のようにあいまいなものだと、道を聞かれたときに答えられる程度なのか、英語圏で日常生活ができるレベルなのか、英語でビジネスができるレベルなのかが分からず、この後のSMARTを意識した目標を立てることができなくなってしまいます。
最終的になりたい姿を具体的に想像できたら、次はいつまでにそうなりたいのか、何をもってそのなりたい姿だといえるのかを考え、最終目標を設定します。このときには、SMARTを意識し、TOEICやTOEFLのスコアなどの分かりやすく測定可能な指標で、なりたい姿かどうかを判断するのが良いでしょう。
基本的には最終目標は一朝一夕には到達できないものを設定していると思うので、最終目標に至るまでに必ず通るであろうマイルストーン(小目標)を決めましょう。
例えば、最終目標が「1年後にTOEICのスコア920点とること」であれば、「3ヶ月後にTOEICスコア720点」「6ヶ月後にTOEIC850点」「9ヶ月後にTOEIC900点」のように、細かく小目標を立てるようにします。このときも、やはりSMARTを意識して、到達可能な範囲の目標を設定するようにしましょう。
上の例では3ヶ月ごとの小目標の例を挙げていますが、小目標の期間としては、数週間~1ヶ月程度を目安に、小目標間の期間が長くなってしまった場合には、さらに間に小目標を立てるなどしてください。
数週間~1ヶ月程度の期間ごとに小目標を立てることができたら、直近の小目標で達成するべき事柄と、現状の英語力を比較して、ギャップを埋めるための具体的なアクションの計画を立てましょう。
例えば、次の小目標が「1ヶ月後に英単語帳の1,600単語の意味を答えられるようにする」というものであれば、逆算すると1週間に400単語の意味を覚える必要があるので、それを達成するための具体的なアクションとして「平日は40単語、週末は100単語を、1単語につき20回ずつ発音しながら書いて覚える」という行動計画を立てるというような具合です。
いかがでしたでしょうか。「TOEICで結果を出す」という目標を例にとり、英語学習における目標の重要性や目標の立て方をご紹介しました。英語学習といっても何をすればいいのか分からないと悩んでいる方は、ぜひ一度原点に立ち返って目標を見直し、目標を再度立て直してみてはいかがでしょうか。
なお、ロゼッタストーン・ラーニングセンター(RSLC)では、キャリアナビゲーターが定期的に面談をして、学習状況の進捗を確認したり、目標設定のアドバイスをしたり、様々なサポートで受講者を強力にバックアップしています。
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